証明書の発行事務

今の職場は基本ルーティンなのですが、時にはイレギュラーなこともあります。


業務の一つとして証明書発行事務があるのですが、
ここ2,3日でイレギュラーなケース連発。

  • ケース1-

収入証紙を持っていらしてないケース。


ウチの職場発行の証明書受け取りの際は、手数料として
現金ではなく収入証紙でお支払いいただきます(職場がばれるか)。
http://www.pref.saitama.lg.jp/site/shoushi/


この仕組み、実務的には現金を取り扱うリスクはなくなっていいものの
なかなか厄介なことが生じることもまたあるもので。


電話等で予めご連絡いただき事前に証明書の準備をして、
後日受け取りにいらしていただく場合、窓口にいらっしゃる際に
身分証明書と発行枚数分相当の収入証紙をお持ちください、とお願いしていますが、
どうしても収入証紙忘れちゃいました
というケースは起こりうるもの。


現金でお支払いいただくわけにもいかないし、
ちゃんと電話でご連絡いただいた際に
収入証紙持ってきてくださいとお伝えしましたよね!
と突っぱねるわけにもちょっと^^;
(こちらが伝え忘れた可能性もあるわけだし、何より確証はないわけで)


そこで臨機応変に応対するスキルが問われるわけですががー!

結論は…業務上の必要性により非公開で笑


  • ケース2-

申込からしばらく時間をおいてから受取にいらっしゃる場合


即日の発行が難しく、発行まで一定の時間を要する証明書の場合、
証明書ができた時点で連絡をさせていただくなり
受取日を何日以降、など指定させていただいたりしていますが、
たまにすごく時間をあけて受取に来る方もいらっしゃいます。


ここで発行側として気にしなければいけないのが、
「発行日」について。


一度取りに来られるという日にちから随分期間をあけて
窓口にいらっしゃり、しかもそれが事前の連絡がないままいらっしゃると?


もちろん証明書は保管してあるのですが、
仮に証明書提出先で「発行から○ヶ月以内のものを有効とする」
という指定がされているとそれに引っかかる可能性が出てきます。


かといって発行まで一定の時間を要する証明書というのは
起案から決裁までという一連のプロセスも事務処理上必要なわけで、
日付の修正についてその場ですぐに応じるのが難しいことも事実。


今回は申請者の方から事前にご連絡をいただけたため
問題なく業務遂行できましたが、こんなこともあるんです。


  • ケース3-

収入証紙を多く持っていらしてしまった場合


証明書には手数料がかからず発行できるものもあり、
伝達がうまくいかなかったりすると
無料なのにその分を多めに収入証紙を持ってきてしまわれる、というケースもあります。


収入証紙については返還もできますが
http://www.pref.saitama.lg.jp/site/shoushi/shoushi-henkan.html
上記URLをご確認いただければわかりますがこれがなかなか曲者で。


発行側の窓口としては、手数料として必要分の収入証紙をいただければよいのですが、
証紙には金種も複数あるので、金種が必要分の金額をカバーしていない場合が厄介。


今回のケースは正にそれ。
必要な金額より金種が大きい。おつりを現金で渡すわけにはいかない。


もう窓口にいらしているのだから
こっちがこの証明書は無料だと言った言ってないという議論は不毛なので、
解決策を一緒に模索。


まず
最寄の収入証紙購入可能場所で返還なり金種交換ができないか?
(ウチの職場では購入はもちろん返還・金種交換もできません…)
→電話で確認。できないとのこと。仮にそこでその証紙を購入していたならば可能性はありそうだったけど…


次に
結構荒業だけど、大きい金種で証紙をこちらで預かってしまって、
余分な金額分を後日申請者に返金できないか?
→そもそも金種の交換自体をこちらでしなくてはならず、
返金にかかる諸々のコストを全て行政で負担するわけにもいかないので
実務的にも現実的でない。


誠意なり工夫でこちらから歩み寄れる部分と、
県民のお金を預かり業務を遂行している立場からのコスト感覚の
バランスは大事。


結論は、収入証紙の返還はできその分のお金も戻るということで、
後日小さい金種で改めて収入証紙を持ってきていただきました。

                  • -

こうまとめていくと、自分は何より収入証紙の制度自体に目がいってしまいます。
しかし仕組み自体に穴がないようにして、現場のことまでしっかり考えて細々としたところまで気を配り、
一つの制度を構築していくってすごく大変なこと。


おっきな仕組みを瑕疵なく組み立てていきつつ、
目に見えない相手(実務を担う人・サービスの供給先となる人)を思いやり細部を組み立てる。
本当に非常に高度なバランス感覚が求められるというか。
大体行政が構築する仕組みだと現場が犠牲になってる感ありますけどね苦笑

思いやりって仕事でも基本であり奥義だ。


今大事なのは、決まってある通りに業務を遂行していける力をつけるのはもちろんのこと、
実務を担当している立場ならではの制度自体への疑問もどっか放っておかずに心の中に留めておくことか。
慣れて、狎れずに、て感じか。